気導レシーバを耳にあてて、音を大きくしていくと、空気の振動が皮膚で減衰してから頭骨に伝わり、骨導となって反対側の内耳に到達します。減衰量は約40dB~60dBです。
たとえば、左耳に60dBHLを提示すると右耳内耳には10dBHLで届くので、右耳骨導閾値が10dBHL以下なら左耳に提示した音を右耳で聴いてしまい、左耳の真の聴力が測れません。音が聴こえたので合図をしてしまいます。実際は左耳では聴こえていないかもしれません。これをシャドウヒヤリングと言います。
この対策として、良耳(この例の場合は右耳)に雑音を付加して、検査音が聞こえないように遮蔽します。これをマスキングといい、その雑音をマスキングノイズと言います。マスキングノイズはバンドノイズを使います。